2020年7月4日土曜日

第234回文学歴史ウオーク(滋賀県)


万葉の里蒲生野・・・万葉公園と船岡山
                               2020-6-7  40名
  集合場所 近江鉄道市辺(イチノベ)駅  午前10時
  コース  近江鉄道市辺駅~阿賀神社~万葉の森・船岡山~万葉公園~市辺駅(2㎞)

    阿賀神社
阿賀神社
    御祭神 正哉吾勝勝速日天忍穂耳大神
まさかあかつかちはやひあめのおしほみみのおおかみ)
  「まさに勝った、私は勝った。
   朝日が昇るように鮮やかに、速やかに
   勝利を得た」 (勝利を象徴する意味)

聖徳太子は国家の安泰を祈願した
伝教大師最澄は50余りの社伝を建立
源義経も源氏興隆を祈念した
室町幕府近江守護職佐々木六角氏も尊崇

 万葉の森 船岡山

万葉の森 船岡山

船岡山(132m)は山と言うよりも
小さい丘のようなところである
この辺りの田園地一帯は蒲生野と
よばれ雑木が生い茂りシカイノシシ、
が生息する野で狩猟や薬草を摘む
原野であった
野には紫草(ムラサキ )が咲き乱れている               





   




船岡山(132m)山頂の歌碑



万葉歌碑原本のままの字体)
   相聞歌

アカネさす紫野行き標野シメノ
行き野守ノモリは見ずや君が袖ふる」
  額田王(ヌカタノオオキミ
 茜草指武良前野逝 標野行 
 野守物不見哉 君之袖布流

「紫草ムラサキのにほへる妹イモを憎く
 あらば人妻故ユエ)にわれ恋めやも」
    大海人皇子(オオアマノミコ
 紫草能 迩保幣類妹乎 迩苦久有物
 人嬬故迩 吾恋目八方
 


片岡寧豊女史の王朝恋物語
 額田王は大海人皇子(のちの天武天皇)と恋仲であった
 が後に彼の兄である天智天皇の寵愛を受けた

 人目もはばからず袖を振って見せる大海皇子を額田王が
 咎めたのに対し 
 大胆にも激しい恋情を歌い返したのである
                                            
   イベント広場

                    狩猟 を描いた  レリーフ   
   馬に乗って女性 に手 を振る 男性   2人 
   古代服  をきて男性を見守る若い女性2人
紫草(ムラサキ)


      紫草ムラサキは毎年地元の高校生によって
      植えられる(絶滅危惧種)
      根の部分である紫根(しこん)が染物の 
      原料や薬物(漢方)に使われている

      
      



  万葉集に詠まれた植物100種が植えられている

  桑の木 
      たらちねの 母がその業(ナ)る桑すらに 
         願へば衣(キヌ)に着るといふものを
              巻7-1357  作者不詳
桑の木

 桑の葉のようなごわごわのものでさえ どうにかしようと
 思い願えば養蚕というマジックを心得て母はそのテクニック
 を使って上等の絹を衣(キヌ)に変えてお召しになることは
 決まっているのになあ  (恋い歌)

   (実をジャムにすると美味しいそうな)




  棗の木(なつめ)
ナツメの木




ナツメの歌
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   「玉掃刈り来し 鎌麻呂むろの木と棗が本(モト)と かき掃かむなめ」
                巻161-383     長意吉麻呂(ながのおきまろ)
  
   玉掃(タマバタキ)を刈ってきなさいよ 鎌麻呂さん 
   むろの木と棗の木の下を掃除するために
  (玉掃はキク科の高野掃(コウヤボウキ)これで儀式などに使う箒を作りました

       ・・・宴席で戯れに詠んだ歌・・・

  椎の木(しひの木

  「家にあれば 筍(け)に盛る飯(いい)を草枕 旅にしあれば 椎の葉に盛る」
   我が家にいれば器に食べ物を盛るのに今は旅に出ているので椎の葉に盛っている
  
            
椎の木
有間皇子の歌
 有間皇子  孝徳天皇の皇子 母は小足媛(オタラシヒメ)死没658年
       640年孝徳天皇が小足媛とともに有馬温泉に滞在中に生まれたので
       「有馬」と名付けられた
   有力な皇位継承者の一人あったが権力争いに危険を感じて仮病を使ったりしている
   蘇我赤兄(ソガノアカエ)に謀られて叛逆の罪で捕らえられ紀伊に送られる途中で
   藤白坂で絞首刑にされる       薨年 19才
   護送中にもう一首の歌も詠まれている
      磐代(イワシロ)の浜松が枝()を引き結び ま幸(サキ)くあらば
                   また還り見む  (万葉集 2-141)
    磐代(イワシロ)の浜松の枝を引っ張って結び、道中の息災を祈る
    ・・願いかなって無事であったならまた帰ってきてこの松を見よう・・
  



1400年昔の飛鳥時代に吹く風はどうであったのだろうか
人の心の素朴で純粋な息づかいに思い馳せる (おわり






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