2019年3月4日月曜日

文学・歴史ウオーク   (兵庫)


   倚松庵(いしょうあん)を訪ねる (谷崎潤一郎旧宅)  
                            2019-2-3  42名
  コース
  阪神電鉄・魚崎駅(10:00)-住吉川ー倚松庵ー住吉だんじり資料館ー      
  住吉地区古代遺跡―本住吉神社ーJR-芦屋駅ー芦屋市公民館(昼食・講演)
  -芦屋市内ウオークー阪神・芦屋駅(16:00)解散 約5㎞


     阪神魚崎駅から住吉川を右手に見ながらゆっくり歩いて10分程で「倚松庵」に着く

       倚松庵        神戸市東灘区住吉東町   敷地440,79㎡
          倚松庵とは松に寄りかかっている住まいと云う意味で
          松子夫人への愛情を表すと言われている    
門前の碑
倚松庵








門前の碑



   「石碑」のことば
         文豪 谷崎潤一郎は
   天界の恋を遂げた松子とこの「倚松庵」に住んだ 
   その妹ふたりも寄寓する
   戦争の暗雲をよそに
   船場の旧家の三姉妹はその優雅さを失わない
   作家の目は光り かくて名作「細雪」は
   人も家もほぼ事実のまま、ここを舞台に誕生した
   


二階は三部屋とも和室
昭和初期の阪神地方の中流住宅の典型









 一階の半分は洋間の仕上がりでマントルピースや
 ステンドグラス等 和洋折衷でモダニズムを感じる
 二階に上がると採光がよくて「こいさんー頼むわーー」と「細雪」の会話が聞こえてき
 そうで 船場「蒔岡(まきおか)家」の美しい四姉妹を髣髴(ほうふつ)させる

四姉妹と娘 (松子夫人は右から2人目
後ろ右端は娘恵美子さん)



詫び状(家主から立ち退きを迫られも
言い訳を色々考えて立ち退かなかった)








裏門





 倚松庵は昭和13年の水害に耐え 昭和20年の
 空襲にも逃れ 平成7年の震災にも耐えたのである
 「細雪」の家として後世にその姿をとどめるだろう




  住吉だんじり資料館        神戸市東灘区住吉東町

住吉だんじり資料館
西区のだんじり












 実物のだんじりを間近に見て大きさ力強さにびっくり細かい造形が施されているのも
 感動する 
 太い丸太を縄でしっかり巻き結ばれているのをみると 屈強な男性が力強くかつぎ
 大声の掛け声とが想像される
 *予告   だんじり巡航   新元号奉祝行事で各地から45基集合  
       2019年5月1日  JR摂津本山駅北側一帯 9時30分から 

  住吉地区古代遺跡      JR住吉駅周辺

















  弥生時代中期 末期の竪穴住居や古墳郡 幾重もの洪水砂層や土石流などの形跡が
  確認されている
  この地域は早くから市街化が進んだため 遺跡調査が遅れた
遺跡説明文



  JR住吉駅南側の 埴輪公園に展示されているパネル

  住吉宮町遺跡  住吉東古墳  
  説明文は薄汚れて読みずらい






  住吉東古墳では 築造から埋葬までの各段階でいろいろな《まつり》をしている
  古墳を作る前に 目印として溝を掘り《まつり》を行ったようで この時に使用
  した埴輪や土器を溝の中に捨てている
  建物の中で一定期間の葬儀を行った後に遺体を埋葬してその上に土を盛っている
  その後の洪水によってうずもれていった


  本住吉神社       神戸市東灘区住吉宮町

本殿
主祭神  底筒男命(そこつつおのみこと)
     中筒男命(なかつつおのみこと)
     表筒男命(うわつつおのみこと)
     神功皇后





 三兄弟
  神話では日本列島を作ったイザナギ(男)が火事で死んだ イザナミ(女)を探しに
  黄泉の国までいくのだが あまりに変わり果てた姿をみて逃げた嫌な思い出を消そう
  と福岡県の海岸で禊(沐浴)で体を洗って水の下の方で生まれたのが
      底筒男命、中間が中筒男命、表面が表筒男命が生まれたわけで それが住吉三神
     その後アマテラス ツクヨミ スサノオが生まれたので天照大神より兄ちゃんである


参道












  社伝では日本書記において 神功皇后の三韓征伐からの帰途に舟が進まなくなり
  神託により住吉三神を祀ったと記されている「大津渟中倉之長峡         
 (オオツノヌナクラノナガオ)」の地が当地であり、当社が住吉三神鎮祭の根源   
  であると伝え そのために古くから「本住吉」と呼ばれるとしている
  
   芦屋市民公民館           兵庫県芦屋市業平町


  多目的ホールで昼食後 講義

「谷崎潤一郎」に就いての講義「細雪」の愛と哀しみ
 登場人物 蒔岡家の美しい四姉妹 
      長女鶴子 次女幸子 三女雪子 四女妙子 




 長女鶴子は婿養子の辰雄を迎え六人の子持ち 父母が亡くなった後の本家を守る主婦
 次女幸子も婿の貞之助を迎えて分家し 平穏な毎日を送る主婦になっていた
 三女雪子は古風な日本女性の影をひきずってるようで 芯の強いところがある
 末娘の妙子は雪子とはまるで正反対の性格で 活発で行動的である

 この「細雪」は「源氏物語」に比せられるのは 長編の故もあるが 王朝的な趣向を
 とっている。松子夫人を中心とする家庭の雰囲気が見事に描かれている

 谷崎は上方文化への賛美のうちに 次第に破壊されていく大阪の良俗と「家」に生活し
 男への幻を次々と失ってゆく女性の悲劇を描く
 


 愛への孤独な理想家としてこの作中に谷崎が
 生きているいると考えてよい
           (昭和文学全集所収)
          







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