寺は何を伝えるところか
2019-3-29 28名
善気山 法然院 萬無教寺 京都市左京区鹿ヶ谷御所ノ段町
山門 |
宗派 単立
本尊 阿弥陀如来
創建 鎌倉時代初期
開基 法然
方丈襖絵 狩野光信筆とされているが孝信筆とも言われている |
中庭の向こうは茶室 |
落椿を集めて |
法話 第31代貫主 梶田真章(かじたしんしょう)
室町時代中頃以降、多くの日本人はご先祖様や村の鎮守様に守られているという
先祖教徒として生きてきたので7万5千を超える寺は先祖供養、現世利益、観光に
よって残ってきました
寺は佛法を伝える場としては殆ど役割をはたさず、今日、毎年三万人以上も自殺
される方がおられる責任は、寺を預かりながら佛法を説いてこなかった私どもに
あると云わねばなりません
法然上人の佛教に親しんでいる私は、死者は極楽の菩薩となられ、成佛され、衆生
への慈悲の心に生きて下さると信じております。
二千数百年前にお釈迦様は人間の煩悩や執着が自らを苦しめていることを
「一切皆苦」と言い表した
私たちが少なからず「人生、思い通りにいくはずだ」と思っているからこそ「苦」
が生じる。お釈迦様はそれを一言で「一切皆苦」とおっしゃいました。あなたの
苦しみの原因はあなたの愛にありますよ、と。自己を愛していること、故郷を愛し
ていること,要は、自らの執着にあるということです。
お寺へ来られる目的も一般的には花を見るというような楽しみのためで、自己を
問うためにいらっしゃる方は少数派、極端に云うと、見た目が美しいか否かが
判断基準になってしまいます
見た目の美しさを現代の人々は求めてしまいがちで、そこを問い直していただく
ことは容易なことではありませんが、でも諦めないで問うていただくように努力
をするのが寺の役割で、坊主の役割だと私は思っています。 合掌
御伽 |
梶田真章老師 |
花笠椿 |
貴 椿(あてつばき) |
梶田真章貫主
1956年9月 浄土宗大本山黒谷金戒光明寺の
塔頭常光院にうまれる
1980年3月 大阪外語大学ドイツ語科卒業
1984年7月 法然院第31代貫主に就任
1985年11月 境内の環境を生かして
「法然院森の教室」を始める
鎌倉時代の初め 専修念仏の元祖法然房源空上人は 鹿ケ谷の草庵で弟子の
安楽 住蓮と共に念仏三味の別行を修し六時礼賛を唱えられた
1206年(建永元年)12月後鳥羽上皇の熊野臨幸の留守中に、院の女房松虫、鈴虫
が安楽・住蓮を慕って出家し上皇の逆鱗に触れるという事件が生じ、
法然上人は讃岐国へ流罪、安楽、住蓮は死罪となり その後草庵は荒廃する
江戸時代初期1680年(延宝8年)知恩院第38世萬無和尚は 元祖法然上人ゆかりの
地に念仏道場を建立することを発願し 弟子の忍澂和尚(にんちょう)によって
現在の伽藍の基礎が築かれた
非公開ながら 谷崎潤一郎。九鬼周造〔哲学者)河上肇(経済学者)の墓地がある
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