2019年10月10日木曜日

文学歴史ウオーク (奈良)

万葉の花と歴史に触れ~唐古・鍵史跡公園ミュージアムへ
                            2019-10-6    40名
 行程
  近鉄石見駅(9:30)ー石見鏡作神社ー道の駅レスティ唐古・鍵(講演・昼食)-
  -唐古・鍵史跡公園・唐古・鍵考古学ミュージアムー田原本駅(解散 約6km)


片岡寧豊(ねいほう)先生お話

















三宅町の花(あざさ)
 あざさ   6月~7月の早朝に咲く 超希少種













  万葉集に  うち日さす三宅の原ゆ・・・・・・・・・・・・・・・・・・
    か細き髪に真木綿(まゆふ)もちあざさ 結ひ垂れ大和の黄楊(つげ)の小櫛を
    押へ刺す・・・・・・・・・・うぐらはし子 それぞ我が妻 (巻13作者不詳)
   (豊かな黒髪に木綿であざさの黄色い可愛い花を結い垂らし大和産の黄楊の可愛い
    櫛で抑え挿している 愛らしい娘、それが私の妻です。

   あざさは「愛の花」であるため三宅町は「恋人の聖地でもある
 
  石見鏡作神社         奈良県磯城郡三宅町

石見鏡作神社
    祭神  天照国照日子火明命
        石凝姥命(イシコリドメノミコト)
    神体   三神二獣鏡
   創建   崇神天皇6年(紀元前92年)

  天照大神が雨の岩戸にこもられた時 天の香具山の
  榊の中枝に吊り下げた八咫の鏡云々とあるが その鏡を
  鋳造したのがこの神社の祭神石凝姥命である



       この地は古代祭祀の聖地であったといわれる
       冬至の日に三輪山頂上から朝日が出る 夕日は二上山鞍部に沈む

      道の駅 レステイ  唐古・鍵        奈良県磯城郡田原本町

講義
道の駅入口












         片岡寧豊先生講義 (奈良在住で万葉の花研究家)

 万葉集は二十巻(約4500首) その中で花を中心とした歌は1500余首もある
 つきくさ=露草 からあゐ=鶏頭 みら=韮 やますげ=藪蘭 ちち=銀杏
 ほよ=保與=宿り木
 あしひきの山の木末(こぬれ)の ほよ取りて かざしつらくは千年寿(ちとせほ)くとそ
                                       大伴家持
宿り木

 「山の梢にあるほよを取って髪にさしたのは 千年の 
  長寿を願う気持ちからですよ」
  正月二日、越中の国庁で郡司等を招いて宴を催した
  折に 国守であった大伴家持が詠んだ歌です
 


  唐古・鍵考古学ミージアム
              奈良県磯部郡田原本町
唐古・鍵遺跡 史跡公園




 奈良盆地の中央部に立地する弥生時代の集落遺跡で
 面積は約42万㎡ 1936,1937年国道24号線敷節に伴い
 唐古池の調査がおこなわれ 弥生時代が稲作農耕の時代で
 あることを証明した
  

ボランティアガイド氏の説明
2200年前に建っていた大型建物跡






  

弥生時代の住宅模型

弥生時代の柱、保存直系83㎝








出土した土器に描かれた家
土器に描かれた建物を復元した










地層 弥生時代 古墳時代 現代








  集落が700年間も続いた地層に存在感を感じる
  環濠は5~8重に巡らされ大規模の集落であった
  
  近くには邪馬台国の有力候補地、纏向遺跡がある
  
  


楼閣のマンホール蓋

近鉄田原本駅













      年号令和の出典

 梅花の歌三二首に併せて序
 天平二年正月十三日に師老(そちのおきな)の宅に萃(あつ)まりて 宴会を申(の)
 時に 初春の令月にして 気淑(よ)く風和(やはら)
 梅は鏡前の粉(ふん)を披き 蘭は珮後(ばいご)の香を薫(かを)らす  ・・     
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 ・・・     詩に落梅の篇(へん)を紀(しる)す 古(いにしへ)と今と夫れ何か
 異ならむ 宜しく園梅を賦して 聊かに短詠を成すべし
                              巻五 八一五の前文
 (折しも 初春正月の良い月で 気はこころよく風は穏やかである
  梅は鏡の前の白粉(おしろい)のように白く咲き ランは匂い袋のように香っている
  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 漢詩に落梅の詩篇がみられるが
 それを作った中国の古(いにしへ)もまたこの現在も なんら立場の違いはない
 だからここでも庭の梅を題として ともかく短歌を作りたまえ
                                   おわり